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キャバクラで働くはずがポールダンスに惹かれて選んだ「ストリッパー」の道

「ポールダンスを習いながら勤務できます!」

キャバクラの体験入店を探していた私は、この謳い文句に惹かれてすぐに連絡した。

ポールダンスを習っていたけど月謝が高くて、長くは続けられなかった私にとって、キャバクラで勤務しながらポールダンスも習えるというのは好条件だった。

しかし、店舗に行ってみるとそこはキャバクラとストリップクラブが融合したような所。

キャバクラのようにお客さんの横でお話しながらお酒を飲む時間もあるし、ステージで踊ることもある。

店内での衣装は、上はブラジャーで、下はTバック、その上にスリップを羽織る。

スリップはスケスケで、下着の形が分かるどころか、向こう側が見えるほどに薄い。

店内を歩いている時も、接客中も待機中も、ほぼ下着姿だ。
ダンスもそれで踊るとのこと。

キャバクラだと思って向かった先で思いもよらないことを説明され当然迷ったが、やってみないと分からないと思い、とりあえず体験入店してみることにした。

<ポールダンスイメージ画像>

体験入店当日はステージには上がらせてもらえないため、お客さんの接客のみ。

接客をしながらも、ステージで踊りながらどんどん脱いでいく女の子たちを見ていると、戸惑いがあった。

やはり、大勢の前で脱ぐ、ということには抵抗がある。

今後働くかどうかはやはり迷いが生まれるところ…。

その点について女の子たちはどう思っているのかを聞いてみると、「初めは恥ずかしいけど慣れるし、なんならもっと見て欲しいと思えてくる」とのこと。

実際、女の子は恥ずかしがることもなく堂々と踊る。
一曲目はスリップを着たまま。
二曲目は、上から少しずつ脱いでいく。

裸になりながら踊っている女の子は、堂々としていて、輝いていた。

こんな世界には縁がないと思っていたのに、思いもよらないところから足を踏み入れてしまった。

いてはいけないとこにいるような気持ちと、好奇心が刺激され、やってみたい気持ちがあったのを覚えている。

お給料はというと1日最低1万5千円は保障されていた。

お客さんとの接客のみでも1万円5千円。
1万5千円でも当時の私にとっては大金で、達成感を感じながら家に帰った。

勤務中は、今後勤務するか悩んでいる自分がいたが、2日後には店に戻っていた。

女の子たちが言う感覚「もっと見て!」という感覚を知りたいと思った。

給料も悪くないし、習いたかったポールダンスだって習える。
ポールダンスのプロになれなくても、ここだったらステージに立たせてもらえる、みんなが私を見てくれる。

始めて1か月は、ひたすら女の子たちのストリップショーを見ながら、閉店後の朝四時から始発までステージで練習。

体力的にはきついものはあったが、うまくなりたい、いつも見ているショーの一員になりたいという気持ちがあったからか、やる気だけはあった。

練習を重ねるうちに、ポールダンスの技術は身についていき、いよいよステージに立つための練習が始まった。

まずはキャスト、スタッフの前でパフォーマンスをする。
もともと自分の体に自信がある方ではなく、胸の大きさは私のコンプレックス。

それでも、踊っている間は周りの視線が嬉しい気持ちが半分、やはり恥ずかしい気持ちが半分。

数日たち、踊り方も脱ぎ方も様になってきたところでいよいよ本番。

知っているお客さんもいる中で脱ぐのはやはり恥ずかしいけど、みんなが私を見ていると思うと嬉しい気持ちもあった。

接客をしたことがあるお客さんは私が新人ということも知っている。

初舞台ということで、チップも沢山もらえた。

チップをもらう時には、胸で挟んだり、口で挟んだり、そのほかお尻で挟むなんてこともあった。

正面からもらう時もあれば、お客さんの上にまたがって体をこすりつけるようなダンスをしながら受け取ることも。

<セクシーな感じのイメージ画像>

初日だけで2万円近くのチップをもらえ、味をしめた。

今までコンプレックスだと思っていた胸も、自信が無いと思っていた体も、お客さんにまじまじと見られながらチップという形で気持ちを受け取ることで、自信をもっていいのだ、人に見せても大丈夫なのだと分かった。

初日に聞いた「もっと見て!」の気持ちがここでようやく分かった。

お店に通い始めて1か月と少し経っていた。

憧れのポールダンスを初め、それが上達していく嬉しさに加えて、お金ももらえる。

お客さんが少ない曜日やタイミングが重なると、チップが少なくなり、最低日給の1万5千円に少し毛が生えた程度の時もあったが、通常だと1万円前後のチップがもらえた。

お客さんが少ない日だと、ほぼ待機で過ごすことになる。

給料自体にはそんなに影響はないけど、接客もしない、ストリップもしないとなると、どこか物足りなさを感じていた自分もいた。

お店のイベント時には、2倍から3倍ほどのチップになるため、1日で4万円稼げた日もあった。

月に20日程度の出勤でも、少なくても月に40万ほど、イベントが重なりお客さんも多いとそれだけやバックも多くなり、1か月に80万近く稼げたときもあった。

平均でいえば1か月60万ほどだったと思う。

そしてお客さんからはいい気にしてもらえ、まるで自分自身が人気者になったような錯覚をしそうになる。

お店で踊っている私だから、服を脱ぎながら踊る私だから。
頭でも分かってはいても、持ち上げられ、褒められることに悪い気はしない。

人前で脱ぐ、ましてはステージ上で見られながら脱ぐなんて、自分の人生に起こるとは思ってもいなかったが、そうして私はストリッパーになっていった。

もともと留学するための資金集めのつもりでキャバクラで働くつもりだった私は、思いもよらない場所で働くことにはなったが、予定よりも早く資金を貯めることができた。

500万貯まったところで、仕事はやめた。

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